いろは「先輩捲るの早いですってば」八幡「お前が読むの遅いんだよ」






 
5: ◆LOLITA/uik 2014/07/23(水) 08:29:09.45 ID:hnfA4t+u0.net
八幡「……ってか一色近い。読み辛い。離れろ」

いろは「離れたら私が読めないじゃないですかー」

八幡「いや、そんなに読みたいなら自分で買えばいいだろ」

いろは「え? なんで私がラノベなんかにお金を使わなくちゃいけないんですか?」

八幡「わかった、俺が読み終わったら貸してやるから取り敢えず離れろ」

いろは「えー、嫌ですー」ギューッ

八幡「暑苦しい……」ウンザリ
雪乃「…………」イライラ

結衣「…………」イライラ

 

 
10: ◆LOLITA/uik 2014/07/23(水) 08:31:07.85 ID:hnfA4t+u0.net
八幡「…………」ペラッ

いろは「あーっ! 先輩また捲るの早い!」

八幡「え、結構ゆっくり読んだつもりなんだけど……」

いろは「まだ三分の二くらいしか読んでませんでしたよ?」

八幡「なんでそんなに遅いんだよ……。お前文章に集中してる?」

いろは「そ、それは……!」

いろは(だって先輩の顔が間近にあってなんか先輩の匂いもするしもうなんか無理ですごめんなさい)

八幡「はぁ……わかった、じゃあお前読み終わったらなんか合図してくれ」

いろは「腕つつきますっ」

八幡「ん……、それでいいか」
雪乃「…………」イライラ

結衣「…………」イライラ
 
13: ◆LOLITA/uik 2014/07/23(水) 08:32:28.51 ID:hnfA4t+u0.net
いろは「そういえば先輩」

八幡「なんだ」

いろは「なんでこの作品のヒロインは主人公のことが好きになったんでしょう?」

八幡「そりゃあ、主人公がイケメンだからじゃないのか」

いろは「え、でも実際にはイケメンなのにモテてない人、いますよね?」

八幡「ああ、それなら話は簡単だ。主人公が持てる理由、それは……これが物語だからだ!」ドヤ

いろは「ああ先輩ドヤ顔してるところ申し訳ありませんがその発言は身も蓋もないです」

八幡「まあ現実の恋愛なんてほとんどが勘違いや騙しあいの産物だろうしな」

いろは「先輩の価値観歪み過ぎッ!?」
雪乃「…………」ウンウン

結衣「!?」
15: Dann Adsense Bitte klicken @ Alle Rechte vorbeha 2014/07/23(水) 08:35:53.72 ID:4mKG+AdSi.net
いろはすかわいい
 
16: ◆LOLITA/uik 2014/07/23(水) 08:36:28.58 ID:hnfA4t+u0.net
八幡「そもそも“好き”の定義が曖昧過ぎるな。まずは具体的にどこから“好き”と呼べる感情なのかをはっきりさせてだな……」クドクド

いろは「いつもの先輩の始まっちゃったよ……。でも先輩、純粋な恋だってあると思うんです」

八幡「いや、ないだろ。悪意でもなく、外面目的でもないのならそれは勘違いだろ」

いろは「勘違いなんかじゃないです」

八幡「いや勘違いだろ」

いろは「勘違いなんかじゃないですってば」

八幡「勘違いだろ」

いろは「本当に……勘違いなんかじゃないです」

八幡「いや…………そうか」

いろは「はい、そうです」ニコ
雪乃「…………」イライラ

結衣「…………」イライラ
 
17: ◆LOLITA/uik 2014/07/23(水) 08:37:33.33 ID:hnfA4t+u0.net
八幡「…………」

いろは「…………」

八幡「…………」

いろは「…………」プニ

八幡「…………」ペラッ

いろは「…………」

八幡「…………」

いろは「…………」プニ

八幡「…………」ペラッ
雪乃「…………」イライラ

結衣「…………」イライラ

18: やはり俺の青春ラブコメは間違っている。 SS 2014/07/23(水) 08:39:57.13 ID:Brgv0qW20.net
いろはすが一番かわいい

19: やはり俺の青春ラブコメは間違っている。 SS 2014/07/23(水) 08:40:47.94 ID:Wm8tRtNF0.net
僕もいろはすにプニプニされたいです><
 
20: ◆LOLITA/uik 2014/07/23(水) 08:41:54.37 ID:hnfA4t+u0.net
八幡「……お前本当に読むの遅いのな」

いろは「え、もしかして先輩馬鹿にしてます?」

八幡「馬鹿にはしてねえよ。ただ、こんなに読むの遅かったら新聞とか朝読めないだろ」

いろは「先輩、新聞なんて読むんですかー? お父さんみたいー」クスクス

八幡「いや、読むだろ普通……」

八幡(意外と社会情勢に詳しいのもぼっちの素質だ)

いろは「あはっ、普通が嫌いな先輩が普通を語りますか? 大丈夫です、先輩は間違いなく普通じゃないです」

八幡「ああ? もしかしてお前俺のこと馬鹿にしてんの?」

いろは「はいっ!」ニコッ

八幡「殴りてえ……」
雪乃「…………」イライラ

結衣「…………」イライラ
 
23: ◆LOLITA/uik 2014/07/23(水) 08:48:10.51 ID:hnfA4t+u0.net
いろは「まあ、読むのが遅いのは結構無理な姿勢だっていうのもありますかねー」

八幡「確かに横から覗き込むような感じだしな」

いろは「ええ、ですからちょっと場所替えしましょう」

八幡「場所替え?」

いろは「はい! ……よいっしょっと」

八幡「ちょ、おま、お前一色一体どこに座って」

いろは「はい、先輩の足と足の間ですー」

八幡「このゆるほわ清楚系ビッチが……

いろは「先輩、それ女の子の後輩に言っちゃうのはどうなんです……」
雪乃「…………」イライラ

結衣「…………」イライラ




 
28: ◆LOLITA/uik 2014/07/23(水) 08:57:07.09 ID:hnfA4t+u0.net
八幡「…………」

いろは「~~♪」スリスリ

八幡「…………っ」

いろは「~~♪」スリスリ

八幡「……おい、一色」

いろは「はい、なんですか先輩?」

八幡「あんまり体くっつけるな。暑苦しいだろ」

八幡(あと思わず勘違いしちゃうだろ。……まあこいつに限ってはそういうのはないだろうが)

いろは「ん~、でも意外と心地良いので我慢してくださいね、先輩」ニコッ

八幡「いやお前……」

八幡(勘違いしちゃうだろ)
雪乃「イライラ」

結衣「!?」
 
32: ◆LOLITA/uik 2014/07/23(水) 08:59:31.54 ID:hnfA4t+u0.net
八幡(ん……もう、こんな時間か)

八幡「雪ノ下。もういい時間なんじゃないか?」

雪乃「え、ええ、そうね。じゃあ今日はここまでにしましょうか」

いろは「先輩っ、私今日は帰りにクレープを食べたい気分ですっ」

八幡「一人で食ってろよ……」

いろは「先輩に誑かされて生徒会長になったのに、その疲れを癒す嗜好品すら奢ってくれないなんて……っ」ヨヨヨ

八幡「いやお前、今日は仕事全くしてないだろ……」

いろは「いいから行きましょ、せんぱーいっ」ギュー

八幡「わ、わかった、わかったから引っ付くな!」テクテク

いろは「えへへー」テクテク
雪乃「…………」イライラ

結衣「……ヒッキー」グスン
 
35: ◆LOLITA/uik 2014/07/23(水) 09:05:50.75 ID:hnfA4t+u0.net
――クレープ屋

八幡「おい一色。特別に奢ってやる。何の味食いたいんだ?」

いろは「んー、そうですねー。スペシャルストロベリー&ラズベリーがいいです!」

八幡(よりにもよって、一番高い奴かよ……)

八幡「すいません、これとこれください」

店員「はいよ」

八幡(さよなら、俺の英世)
 
37: ◆LOLITA/uik 2014/07/23(水) 09:16:02.83 ID:hnfA4t+u0.net
――数分後、公園

八幡「ほらよ」

いろは「おー、ありがとうございますっ」

八幡(この笑顔を見るとすべてを許してしまいそうになる……はっ、俺には小町と戸塚という天使が)

いろは「じゃあさっそくいただきまーす!」パクッ

八幡(ああすまん小町、戸塚俺はなんという愚か者だったんだ。一瞬とはいえこの子悪魔後輩に誑かされ)

いろは「お、結構美味しいですねー」

八幡(お前たちというものがありながら心を許してしまいそうに――)

いろは「……先輩?」

八幡「ん、んん、なんだ?」
 
38: ◆LOLITA/uik 2014/07/23(水) 09:21:38.39 ID:hnfA4t+u0.net
いろは「先輩は食べないんですか、クレープ?」

八幡「あ、ああ、いや、食べる」パクッ

いろは「ふふ、先輩いっつもバナナですよねー?」

八幡「悪いか」

八幡(これが一番安いから仕方ないだろ)

いろは「じゃあ、可愛そうな先輩に一口あげます。先輩、あーん」

八幡「は? ちょ、いいって」

いろは「普段のお礼の気持ちですよ。受け取ってください先輩」

八幡(いや、そもそもそれ俺が買ってやった奴なんだけれど)
 
41: ◆LOLITA/uik 2014/07/23(水) 09:28:02.84 ID:hnfA4t+u0.net
いろは「あーんしてくださいよー、先輩」

八幡「わ、分かったから押し付けようとするなクリームついちゃうだろ」

いろは「はい、あーん」

八幡「あ、あーん」

突き出される赤いシロップの掛かったクレープ。
後輩の狙いは中々定まらず、若干頬っぺたにクリームが付いてしまったが、すぐに的を捉えることに成功した。
柔らかなもっちりとした生地に包まれた、突き刺すような甘酸っぱさと、爽やかな後味。
いつもバナナ味しか食べてなかったから気が付かなかったが、なるほど確かに高価なだけあって味の質もそれなりのものだった。

いろは「せんぱい、どうです……? 美味しいですか……?」

ほんのりと頬を桃色に染める一色。そこで俺はようやく気付いた。

八幡(あれ、今のって間接キスじゃね)

八幡(あんまり一色がナチュラルにかつ強引に食わせるから気が付かなかったけれど)
 
44: ◆LOLITA/uik 2014/07/23(水) 09:32:42.21 ID:hnfA4t+u0.net
いろは「ね、先輩? どんな味でした……?」

八幡「ど、どんな味って……」

いろは「きちんと言ってくれなきゃ嫌ですよ」

八幡「そうだな……。甘酸っぱくて……、甘かったな」

いろは「えー、なんですかその感想ー?」クスクス

からからと、楽しそうに笑う一色。
そんな彼女をぼんやりと眺めてたため、次の彼女の行動に咄嗟に反応することはできなかった。

いろは「あ、先輩クリームついてます」ヒョイ

すっ、と腕が伸ばされ、クリームが指先で掠め取られる。

いろは「んっ、んちゅっ、ちゅぷっ」ペロペロ

呆気にとられる俺の目の前で、その指を舐める一色。
その様子はどこか色っぽく、艶めかしく、情熱的で。

いろは「あはっ、確かに甘酸っぱくて、甘いですね」エヘヘ

八幡「いや、それさっきまでお前が食ってたのと同じだから」
 
46: ◆LOLITA/uik 2014/07/23(水) 09:37:57.55 ID:hnfA4t+u0.net
いろは「ね、先輩。私最近思うんです」

八幡「何がだ」

お互いにクレープを食べ終わり、俺たちは公園のブランコに並んで腰かけていた。
一色は珍しく物憂うような儚げな表情をしていて、俺は彼女の顔を直視することが出来なかった。

いろは「恋ってなんなのか。好きってなんなのか」

八幡「だからさっき言っただろ。そんなのはまやかしだ」

いろは「本当に?」

八幡「本当だ」

いろは「私はそうは思わないんです」

八幡(ならなんで聞いた)




 
47: ◆LOLITA/uik 2014/07/23(水) 09:42:52.02 ID:hnfA4t+u0.net
いろは「確かに先輩の言うことは正しいのかもしれません」

いろは「世の中には色々ありますし、女子高生にも色々ありますしね」

いろは「でも……」

いろは「どこかにほんものはないんでしょうか……?」

八幡「それは」

いろは「私は、この気持ちはほんものだと思ってます」

いろは「今まで経験したことなかったんです。こんなにもその人が好きで、愛おしくて」

いろは「ですからね、先輩」
こちらに顔を向ける一色。横顔を照らす夕日。
だがやはり、俺はどうしても彼女に向き合うことが出来ない。
いろは「私は、先輩のことが――」
 
48: ◆LOLITA/uik 2014/07/23(水) 09:52:30.22 ID:hnfA4t+u0.net
八幡「――ああ、もう日も沈んできたし、今日は帰らないとな。お前も一応女子高生だし」

話遮っちゃって悪いけどさ。そう付け加えて、俺は恐る恐る彼女を窺う。

一瞬。一瞬だけ、彼女は酷く苦しげな顔をした。
まるで川に溺れている子供が、助けを求めた大人に見捨てられたかのような表情。
だが、それは本当に刹那のことで次の瞬間には嘘のように明るい笑顔を見せていた。

いろは「もー、一応ってなんですか一応って」クスクス

八幡「一応は一応だ。お前みたいな奴を、俺は素直に女子高生とはカテゴリできない」

いろは「先輩は捻くれてるなー」

八幡「生まれつきだ」

いろは「ならしょうがないですねー?」

八幡「あ、ああ」

思わぬ返しだった。一色いろはは畳みかけるように言った。

いろは「私今日は先輩の家でご飯が食べたいですっ」
 
51: ◆LOLITA/uik 2014/07/23(水) 09:57:29.38 ID:hnfA4t+u0.net
八幡「は!? いや、普通に親もいるし、急に人数増えても対応できないし」

いろは「さらっと嘘つくのやめましょうよ、先輩……。今日は親居ないんですよね?」

八幡「なんで知ってる」

いろは「小町ちゃんから聞きましたー」スッ

差し出されたケータイには小町とのやり取りと思われるメール画面。

いろは「小町ちゃんの許可は貰ってますし」

八幡(謀られた)
 
53: ◆LOLITA/uik 2014/07/23(水) 10:00:41.86 ID:hnfA4t+u0.net
八幡「いや、俺の許可は貰ってないだろ」

いろは「先輩の許可~? さっき私の話、遮ったじゃないですか?」

八幡「ああ、それがどうしたって」

いろは「そのこともじっくり話し合えたらって思うんで今日はよろしくお願いしますねー」
ああ、この後輩はどうやら俺より二枚三枚上手のようだ。
俺は、彼女の告白にどう応えるか頭を悩ませつつ彼女とともに帰路につくのであった。

終わり
元スレ:いろは「先輩捲るの早いですってば」八幡「お前が読むの遅いんだよ」
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