森夏「で、わたしは何位だったの?」






39 : 中二病でも恋がしたい SS   – 2012/11/14 00:22:22.81 7K8WACxh0 1/16
六花「人差し指と中指を合わせて伸ばし、頭上から勢いよく自らの足元めがけ、上体を折り曲げながら振り下ろす!」シュッ

六花「そしてその勢いを殺すことなく上体を持ち上げ、真横へと切るっ!」シュッ

凸守「そ、それはまさか……正十字の紋章!? そ、そんな……! 邪王心眼のマスターが、まさか聖なる魔法を使うだなんて……!」

六花「それは違うぞ、凸守。私のように強く闇に染まると、ただの闇では満足できなくなるのだ」

六花「光を喰らい・それを闇と成し、聖を魔へと変換してこそ、真に満足することが出来るようになる」

凸守「おぉ……! さすがマスターなのDeath!! すごいのデスッ!!!」

勇太「……なにやってんだ、アイツら」

森夏「無視すんなっ!」ドスッ

勇太「ぐっふ!!」

 
40 : 中二病でも恋がしたい SS   – 2012/11/14 00:23:12.60 7K8WACxh0 2/16
森夏「……で、何位だったの?」

勇太「な……なにが……?」

森夏「あたしの順位よ」

勇太「順位?」

森夏「そ。一色くんの手帳、アレに書いてあったのって男子からアンケートを取って集計した結果なんでしょ?」

森夏「あたし、結局中見てないから気になるんだけど」

勇太「いや、だからアレはアイツが勝手に――」

森夏「いやアンタたち、普通にあたしの前でアンケート取ったこと言ってたからね?」

勇太「――ですよね~……」

森夏「……で、あたしは何位だったの?」

勇太「…………」

 
41 : 中二病でも恋がしたい SS   – 2012/11/14 00:25:10.84 7K8WACxh0 3/16

勇太「ちなみにだけど、丹生谷は誰が一位だと思う?」

森夏「一位? そうねぇ……まあ、あたしでないのは確かでしょ?」

勇太(なん……だと……?)

森夏「まあ妥当なところだと…………って、そういうクイズ形式は良いから」

森夏「それにあたしが聞きたいのは一位じゃなくて、自分の順位なの」

勇太「どうしてまた」

森夏「あたしの中二からの立ち直りが上手くいってるかどうかが分かるじゃない。もしこれで上位なら、男子を騙せてるってわけなんだし」

勇太「……なるほどね」

勇太(今でも十二分に騙せてるけど。っていうか、俺も騙されてたクチだし)

森夏「で、誰?」

勇太「…………どうしても言わないとダメ?」

森夏「もったいぶらずに言いなさいよっ」

勇太「……………………まぇ」

森夏「は?」

勇太「だから、お前。丹生谷が一位だよ。少なくとも俺は一色からそう聞いた」

森夏「……………………え?」




 
42 : 中二病でも恋がしたい SS   – 2012/11/14 00:26:05.43 7K8WACxh0 4/16
森夏「え? うそ? えっ?? ま、マジで……?」

勇太「マジもマジ。大マジだよ」

森夏「うっそ……あ、ヤバい。すごいニヤける。顔がニヤニヤする」

勇太(そりゃまあ嬉しいだろうよ。自分の努力が認められてるようなもんだからな)

森夏「ふ、ふ~ん……そっか~……えっ? あ、ちなみにアンタは誰に入れたの?」

勇太「俺も丹生谷に入れたよ」

森夏「えっ!? ちょっ……えぇっ!?」

勇太「だってその時は丹生谷がこんなのだとは思わなかったし」

森夏「やっだもぅ~! こんなのとか言わないでよっ!」バシバシ

勇太「いたいいたい! 背中をすっごい笑顔で叩くな!」

森夏「にへへ~……」

 
43 : 中二病でも恋がしたい SS   – 2012/11/14 00:26:55.56 7K8WACxh0 5/16

森夏「あ~……でもまさかアンタもあたしに入れてるとはな~……さすがのあたしも気付かなかったわ~」

勇太「あの頃は同類だと思わなかったからな」

森夏「でも気付いてても入れたでしょ?」

勇太「さあ? どうだろうな」

森夏「もぅ~……照れちゃって照れちゃって」バシバシ

勇太「だから笑顔で背中を叩くなって! 嬉しいのは分かったから落ち着いてくれ」

森夏「嬉しい? いや~……別にそういう訳でもないのよ? いやでもな~……いや本当は嬉しいんだけど。でもなぁ~……」

勇太(うっわ、ちょっとウザい)

森夏「まさかこんなにモテるとはなぁ~……」

勇太「……っていうか、中学時代の丹生谷もモテただろ?」

森夏「は?」

勇太(うわ一気にトーンが下がったっ!!!)

 
44 : 中二病でも恋がしたい SS   – 2012/11/14 00:28:46.49 7K8WACxh0 6/16
森夏「そう……そうね…………この結果を聞いて、一つ学んだことがあたしにはあるわ」

勇太「と、いうと……?」

森夏「外見が良くても、言動や所作がアレだとモテないということがね……」

勇太(……モテなかったのか……っていうか、外見が良いって自分で言うんだな)

森夏「やっぱり、周りに気を遣えたり優しかったり、優等生だったりしてる方がモテるのね……」

勇太(発言に重みがあるな……)

凸守「さっきからなんの話をしてるのデスか?」

六花「勇太、わたしの話も聞いて欲しい」

勇太「いや、お前の話は聞かないけど……丹生谷の話をしてたんだよ」

凸守「偽モリサマーの?」

森夏「モリサマー言うなっ!」

勇太「コイツ、俺のクラスで男子が勝手にやってた人気投票で一位だったんだよ」

凸守「なん……だと……? まさか……この世界は狂っているとでも……!?」

森夏「失礼ねっ!」

凸守「マスター! 我々は気付かぬ間に、不可視境界線を越えて別世界へと来てしまっていたようなのDeath!!」

凸守「いえ! もしかしたら異世界人によって、この世界が書き換えられてしまったのかもデスっ!」

森夏「んな訳あるかっ!!」

 







45 : 中二病でも恋がしたい SS   – 2012/11/14 00:30:00.41 7K8WACxh0 7/16

六花「なるほど……例の一件か……」

勇太「ああ」

六花「……ちなみに、我の順位はいくつだったのだ?」

勇太「え? 気になるのか?」

六花「まさか。ただこの平凡な世界の中に身を置き、自らの力と身分を隠している成果を知りたいだけだ」

六花「上手く隠れていると分かれば、それだけ私の身分がバレていないということになり……ひいては、そのものを救うことにも繋がる」

六花「わたしのことを知っていればそれだけで狙ってくる組織が――」

勇太「ああ、はいはい。分かった分かった。ま、そんなに気になるなら明日にでも一色に聞いといてやるよ」

六花「よろしく頼む。それで、勇太は誰に入れた?」

勇太「……言わないとダメか?」

森夏「なんで言うの躊躇ってるの? さっきあたしに入れたって言ったじゃん」

勇太「っておい!? 俺のプライバシーはゼロなのかっ!?」

六花「なん……だと……?」

六花「やはり凸守の言うとおり……私達はいつの間にか異世界に……!」

勇太「いやいやいや、んなショックを受けるほどのことか?」

六花「まさか……まさかとは思うが……ゆ、勇太は……丹生谷のことが、その……好きなのか……?」

勇太「ぶっ!」

凸守「うわきたなっ!」

 
46 : 中二病でも恋がしたい SS   – 2012/11/14 00:30:57.88 7K8WACxh0 8/16

勇太「な、なんでそうなるんだよっ!!」

六花「だ、だって……」

勇太「ほら、なんていうか……そのアンケートをした時ってのが、入学して割りとすぐだったしな」

勇太「まだ部活も出来てなくて、お前とも親しくなかったし……その……仕方なかったんだよ!」

六花「じゃ、じゃあ……! い、今したら……?」

勇太「はぁっ!?」

六花「今、アンケートしたら……誰に、いれる……?」

勇太「だ、誰って……そりゃ……お前……」

六花「…………」

勇太「っ…………」

森夏「……なにこのラブコメ空間」

凸守「というか、そんなに重要な順位なのDeathか? たかが人気投票なのデスよね?」

森夏「ま、アンタは誰からも入れられなさそうだし、関係無いのは確かよね」

凸守「んなっ!?」

 
47 : 中二病でも恋がしたい SS   – 2012/11/14 00:32:10.13 7K8WACxh0 9/16
凸守「失礼なっ! そんなこと無いのDeath!!」

森夏「そんなことあるわよ。アンタガキっぽいし、何より中二病だしね」

凸守「ぐぬぬ……」

凸守「……ん……? ……いやですが、そもそもわたしは別に、この世界の男にモテる必要なんてないのでは……?」

森夏「はんっ。負け惜しみ?」

凸守「確かに偽モリサマー如きに負けるというのは癪デスが、そもそも勝負の内容的に負けても構わないものではないDeathか」

凸守「この世の男なんてみんな、所詮は力も持たない烏合の衆。そんなものに愛を囁かれたところで意味なんてないのDeath」

凸守「むしろ告白されたところで邪魔で面倒なだけではないデスか。異世界に行った時に戦う術を持たない男なんて、足手まといでしかないのDeath」

森夏「あんた……それマジで言ってんの……?」

凸守「当たり前デス。むしろ偽モリサマーのように不特定多数の男に好かれたいなんてビッチ思考は持ち合わせたくなんてないのDeath」

森夏「ビッチ!? 言うに事欠いてそれ!? っていうか意味知ってんのアンタ!?」

凸守「も、もちろんデェス。ほら、あの……男にメチャクチャ好かれたい女の人のことDeath」

森夏「……そうね……アンタは、そのまま純粋でいなさい」

凸守「な、なんですかその憐れむような目は! 失礼なのですっ!」

 
48 : 中二病でも恋がしたい SS   – 2012/11/14 00:33:31.28 7K8WACxh0 10/16

くみん「それでモリサマちゃんは――」

森夏「うわびっくりしたっ! いたのっ!?」

くみん「い、いたよ~……そりゃずっと寝てたけど……でも、モリサマちゃんが人気投票で一位だったって話は聞いてたよ?」

森夏「ほとんど全部じゃないっ!」

くみん「えへへ~……まあまあ良いじゃない。それでモリサマちゃんは、誰かと付き合うの?」

森夏「はあ? なんで?」

くみん「え? だってほとんどの男子に好きだって言われたんだよね……?」

凸守「……もしかして、半分寝ながら聞いていたのDeathか?」

くみん「そうだね~……今日は日差しがあったかいからぁ……」

森夏「っていうか、人気投票がどういうものかもイマイチ分かってないんじゃないの?」

くみん「えぇ~? そんなことないよ~。要は、好きな子を投票して・集計して・順位をつけることでしょ?」

くみん「それで一位になったんだから、ほとんど誰とでも付き合うことが出来るようなもの? だと思うの」

くみん「で、中二病から遠ざかりたいって言ってるモリサマちゃんなら、誰かと付き合うのが一番手っ取り早いって考えるかと思ったんだけど……」

森夏「…………」

くみん「あれあれ? 違ったかな??」

森夏「いや……まさかアンタがそこまで考えられる頭を持ってるとは思わなくて……」

くみん「ひ、ひどいよぉ~……」




 
49 : 中二病でも恋がしたい SS   – 2012/11/14 00:35:28.40 7K8WACxh0 11/16

森夏「でもそうか……確かに誰かと付き合ったら、それだけで中二病じゃなくなるわね」

森夏「いやむしろこれは対極に位置する『リア充』になれるということに……!」

森夏(……いやでもその前に……!)チラッ

凸守「? なんですか、偽モリサマー。もしかして、わたしとやろうというのですか……? それなら受けて立つDeathよ?」

凸守「この新しい構えを試すときが、ついにきたのデスね……!」

森夏(コイツから例のアレを全て没収しなければ……! でなければ……出来た彼氏にいずれ知られて、ドン引かれる……っ!!)

森夏「……そうね……そうよね……あたしはまだ、誰とも付き合えないわ」

くみん「? どうして?」

森夏「出来る彼氏に知られてはいけない秘密が出来てしまうからよ」

凸守「ふっ……そういえば偽モリサマー、クラス内では猫を被っているのでしたね」

森夏「それじゃないわよっ! ……いやそれもだけどっ! でもそういうのを受け入れてくれる人を選ぶわよっ!」

くみん「いるの? そんな人」

森夏「失礼ねっ! いるに決まって――……」

くみん「……いないんだ」

凸守「……いないのDeathね」

森夏「……――くっ! ほんっとうロクなのがいないっ! ウチのクラスの男子って!」

 
50 : 中二病でも恋がしたい SS   – 2012/11/14 00:37:06.19 7K8WACxh0 12/16
くみん「あれ? でも富樫くんも同じクラスだよね?」

森夏「はあ? アイツはパスよパス。あたしの趣味じゃないし」

くみん「それじゃあ、モリサマちゃんの趣味ってどんな人なの?」

森夏「どんなって……」

森夏(……あれ……? そういえばあたし、どんな男の人が好きなんだろ……?)

くみん「……もしかして、考えたことも無かった?」

森夏「…………そうね……そういえば、中学時代も今も、結局自分のことでいっぱいいっぱいで、他人のこととか考える余裕もなかったわ……」

凸守「それなら誰でも良いってことじゃないDeathか。やはりビッチDeathね」

くみん「で、デコちゃん!?」

凸守「? なんですか?」

くみん「そんな……ビッチだなんて……はしたないよ……」///

凸守「はあ? 男好きの女みたいな意味なんデスよね? 何もはしたなくはないのDeath」

くみん「…………そっか……」

凸守「なっ……! だからなんなのですかっ! その憐れみに染まる視線はっ!!」

くみん「デコちゃんは、そのまま純粋でいてね」

凸守「だから……! なんなのデスか~~~~~~~~~~~っっっ!!!」

 







51 : 中二病でも恋がしたい SS   – 2012/11/14 00:40:02.85 7K8WACxh0 13/16

凸守「もういいです! マスターに聞いてきますっ!」

――マスター! ――

――ビクビクッ! ――

森夏「あの空気に割り込めるなんて、相当図太いわね」

くみん「六花ちゃんも富樫くんもビックリしてるね」

くみん「……それで考えた結果、どんな男の子が良いのか分かった?」

森夏「……ひっぱるわね」

くみん「うん。だって気になるもん」

森夏「いつもみたいに寝てりゃいいのに……」

くみん「女の子は恋バナが何よりも好きなのです。きっとデコちゃんだってそうだし、モリサマちゃんもそうでしょ?」

森夏(……まあ、中二病だった頃もそういう話には興味あったけど……でもあの頃はなあ……)

森夏「……それじゃ、アンタはどういう人が良いの?」

くみん「おっ。今すごいガールズトークっぽい。楽しいねぇ」

森夏「そうやって誤魔化すならこの辺で」

くみん「ああ、うそうそ!」

くみん「わたしはね、一緒にお昼寝してくれる人だよ」

森夏「ふ~ん……ちなみに、髪型とかそういう見た目での好みとかってある?」

くみん「う~ん……それこそ考えたこと無いかな?」

森夏「そう」

くみん「どうして?」

森夏「別に。深い意味は無いわよ」

 



52 : 中二病でも恋がしたい SS   – 2012/11/14 00:40:59.18 7K8WACxh0 14/16

森夏(つまり、趣味を理解してくれる人ってことよね……)

森夏(……っていうか、あたしの場合もそういう人なら大丈夫なのよね

森夏(あの中坊から取り返さなくても、元中二病ってことを理解して受け入れてくれる人なら)

森夏(あとはまあ、素を曝け出せる人かな……? でないと、ずっと教室にいるみたいに優等生として振舞ってないといけないし。せめて彼氏の前でぐらいのんびりとしたい)

森夏(でもそんな男子は――)

――マスター! ビッチってどういう意味なのDeathかっ!? ――

――んなっ!? ――

――びっち? それは新しい魔法の一種か? ――

――ほほぅ……どうやら、ダークフレイムマスターは知っている模様……――

――なに……? 勇太、教えて――

――いや、それは……――

――さあさあ、早く白状するのデス! ――

――む、ムリだって! 男にその言葉の意味を説明させるなっ! ――

――なに? 男が言うと石化してしまう呪いの言葉なのか? ――

――いやそうではないけども……でもちょっとそれは……! ――

森夏(――…………)

くみん「……へぇ~……」

森夏「っ!」ビクッ

 
53 : 中二病でも恋がしたい SS   – 2012/11/14 00:42:13.84 7K8WACxh0 15/16
くみん「ずっと富樫くん見て……もしかして――」

森夏「ち、ちがうちがう! ありえないありえないありえないぃ~!」

くみん「そう?」

森夏「そうなのっ!」

勇太「おい丹生谷、この二人を何とか……って、お前なんか、顔赤くないか?」

森夏「なっ……!」

勇太「どうかし――」

森夏「どうもしないっ!」

勇太「――た……ああ、そう。なら良いんだけど」

森夏「ちょっと用事思い出したから帰るっ!!」

勇太「お、おう。気をつけてな」

森夏「分かってるわよ!」

ガラ! バタンッ!

勇太「……何怒ってるんだ? アイツ」

くみん「んふふ……さぁ? 富樫くんが卑猥なことを言わせようとしたからじゃない?」

勇太「ちょっ! くみん先輩!」

六花「さあ勇太。意味を教えて」

凸守「教えるのDeath」

勇太「ちょっ、お前らもしつこい! 先輩、助けてくれま――」

くみん「くぅ~……」スヤスヤ

勇太「――って寝てるぅっ!?」

 
54 : 中二病でも恋がしたい SS   – 2012/11/14 00:43:14.11 7K8WACxh0 16/16

森夏「ああもう……! ああもうああもうああもうっ!」

森夏(調子が狂うなぁ……もう! いつものんびりしてるクセに、なんでこういう時だけ鋭いのよあの人はっ!)

森夏(……それにしても……富樫くん、か……)

森夏「…………」

森夏(……いや、冷静になってみると全然ないな。うん)

森夏(どうしてあんなに焦ってたんだろ、あたし。……上手く乗せられてたのかな……? ホント)

森夏「……まあでも……」

森夏(もうちょっと……もうちょっとだけ、優しくしてやっても良い……のかな……?)

森夏(数少ない、同類なんだし)

終わり




元スレ:森夏「で、わたしは何位だったの?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1352732712/

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