雪ノ下雪乃は比企谷八幡の部屋に住む。






1: やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。SS  2015/11/05(木) 22:15:32.23 ID:w9ksQj7D0

『昨日、〇〇区のマンションの不良が発覚した問題を受けて…』

『販売していた〇〇不動産はこの問題を関連企業である雪ノ下建設に責任があると発表しました。』

『ですが発覚と同時に雪ノ下建設の代表であり県議でもある雪ノ下氏は…』

『現在、家族共々行方不明の状況となっています。』

今朝、各報道機関によってこのニュースが大々的に報じられた。

雪ノ下建設、つまり俺たち奉仕部の部長である雪ノ下雪乃の父親が経営する会社。

その会社によるマンションの設計ミスが発覚。

しかし社長はその問題が取り上げられる前に家族と一緒に夜逃げしたという内容だった。

  
2: やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。SS  2015/11/05(木) 22:15:49.99 ID:w9ksQj7D0

~総武高校~

「雪ノ下ー!出てこーい!!」

「いるのはわかってんだぞ!?」

「教師どもも匿ってるんじゃねーぞ!あいつらが何をしたのかわかってんのか!?」

その影響は俺たちが通う高校にも影響を及ぼした。

今、校門の前で叫んでいるのは、

雪ノ下建設による設計ミスでマンションに住めなくなった住人たちだ。

ヤツらの要求はこうだ。

  
3: やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。SS  2015/11/05(木) 22:16:51.04 ID:w9ksQj7D0

『この学校に通う雪ノ下建設の令嬢を出せ!そいつに全ての責任を負ってもらう!!』

どう考えても横暴すぎる要求だ。

いくら令嬢とはいえ単なる女子高生に何ができるっていうんだ…?
  
4: やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。SS  2015/11/05(木) 22:17:16.56 ID:w9ksQj7D0

「キミたち総武高校の生徒だよね?」

「この学校に雪ノ下建設の令嬢が通っている話なんだけど…」

「よかったら彼女の事について知っている事を話してくれないかな?」

さらにはマスコミどもが挙ってやってきた。

連中は通学途中だろうがお構いなくインタビューしてくる…

正直、俺を含む全校生徒がこの事態に辟易していた。

  
5: やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。SS  2015/11/05(木) 22:18:16.73 ID:w9ksQj7D0

結衣「ねぇ…ヒッキー。
どうしてこんな事になったのかな?ゆきのん大丈夫なのかな?」

八幡「さあな、俺だって何がなんだかの状態だ。むしろ聞きたいのはこっちの方だよ。」

葉山「比企谷、結衣、二人に話したい事があるんだ。」

八幡「葉山か。お前は今回の事情に詳しいようだな…」

この事態に由比ヶ浜は雪ノ下の安否を気遣っていた。

だがそこへやってきた葉山から意外な話が…

  
7: やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。SS  2015/11/05(木) 22:20:03.01 ID:w9ksQj7D0

葉山「二人とも、雪乃ちゃんの事はもう忘れた方がいい。」

八幡「やっぱり…そういう話か。」

結衣「何で…どうして?何でゆきのんが大変な時にそんな事を言うの!?」

葉山「聞いてくれ。
これは大人の話だが雪ノ下の家はスケープゴートにあった。
全ての責任を押し付けられたんだ。」

八幡「なるほどな、雪ノ下建設も所詮は下請けだからか…」

結衣「でも…だからって…何で…?」

八幡「当然だろ。
今、外で叫んでいる連中は大金払って買った家なのに住めなくなっちまったんだ。
そして親元の会社はその責任を雪ノ下の家に押し付けた。
だからなんとか元通りにしろと叫んでんだよ。」

葉山「雪ノ下の家が彼らに与えた被害は大きい。
いくら雪ノ下の会社でも全てを保証するなんてできるはずもない。
だから一家全員で夜逃げしたんだ。」

葉山の家は親が雪ノ下家の顧問弁護士をしている。

だからその辺の事情を父親から聞いたのだろう。

だがここまでの話は前振り、葉山の話はここからが肝心だった。

  
8: やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。SS  2015/11/05(木) 22:21:05.88 ID:w9ksQj7D0

葉山「だから二人とも、雪乃ちゃんの事は全部忘れろ。」

結衣「そんな…親のした事なんて子供には関係ないじゃん!」

八幡「そんな言い訳があの連中に通じると思っているのか。
お前、今のセリフを外にいる連中に言ってみろ。即リンチに合うぞ。」

葉山「比企谷の言う通りだ。
俺の家も既に雪ノ下の家とは縁を切り何も関係ないと装っている。
それに俺のグループにも雪ノ下とは何も関わりはない。
話した事さえないと既にみんなにきつく言っておいた。
そうでないと俺たちですら狙われる…」

確かに葉山の対応は正解だ。

この場合、自分は無関係だという素振りを見せた方が正解なんだろうが…

  
9: やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。SS  2015/11/05(木) 22:22:20.43 ID:w9ksQj7D0

八幡「お前、雪ノ下とは幼馴染だろ。随分と冷たいんだな。」

葉山「あぁ、雪乃ちゃんに陽乃さん。
二人とも子供の頃から知り合っていた。けど俺も今の生活を守らなきゃいけない。」

葉山「比企谷、キミだって同じはずだろ。
キミにだって居場所があるはずだ。俺がやっているのは当然の事だ。
今はわからないかもしれないがいずれはキミだって同じ事をするはずだ…
誰だって今の居場所が大切なんだ。」

結衣「隼人くん行っちゃった…なんだかつらそう…」

八幡「まあ…あいつの言いたい事もわかる。
これから進路に向かって大事な時にあんな連中に彷徨かれたら迷惑この上ないからな。
さてと、俺もやるべき事をやらなきゃいけないか。」

結衣「ヒッキー!こんな時にどこへ行く気!?」

葉山からの忠告を受けた俺たち。

その足で平塚先生のいる職員室へ向かった。

  
10: やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。SS  2015/11/05(木) 22:22:58.51 ID:w9ksQj7D0

「悪いが話している時間はない。雪ノ下の件で色々と対応に追われていてな…」

八幡「その事で相談があってきたんです。実は…」

結衣「そっか!先生たちならなんとかしてくれるかも!」

「そんなわけにいくか。
この状況をよく見ろ、今朝からずっと電話が鳴りっぱなしで仕事にならん。
教師として本来こんな事は口にしたくないが…
雪ノ下の親もとんでもない事をしてくれたよ。」

教室内で鳴り響く電話。

どれも先日の雪ノ下建設の件が原因だ。

平塚先生だけでなく他の教師たちも対応に追われてこれでは授業にすらならない状況だ。

  
11: やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。SS  2015/11/05(木) 22:23:51.13 ID:w9ksQj7D0

八幡「それでお話なんですが、
この学校にある雪ノ下の写真を俺たち奉仕部で全て処分させてくれませんか。」

結衣「ちょっとヒッキー!なんて事を言うの!?」

「比企谷、どういうわけか説明してもらおうか?」

八幡「簡単な話です。
今の状況を見てわかる通り、雪ノ下の家は世間さまに多大な迷惑を掛けました。
その被害はこうして俺たちにまで趣いています。
恐らくこれから雪ノ下の写真をマスコミに流すヤツだって現れるはずですよね。」

「それで何が言いたい?」

八幡「その写真には他の生徒も写っている可能性が十分あります。
他の生徒には罪はないはず、
だから他の生徒たちに影響が及ぶ前に俺たちで回収したいんですよ。」

「比企谷…今の話は正気か…?」

八幡「正気です、こんな話冗談で言えますか?」

結衣「ちょっとヒッキーやめなよ…」

八幡「嫌なら俺一人でやる。お前は何もしなくていい。」

こうして俺は先生たちから雪ノ下に関する写真を全て提出してもらった。

それだけじゃない。

雪ノ下の教室、

それに一色や城廻先輩たちまで回ってあいつの写真や画像を出してもらった。

勿論、こんな写真を持っていたら今度はお前らのとこに外の連中が来るぞと脅して…

  
13: やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。SS  2015/11/05(木) 22:25:02.80 ID:w9ksQj7D0

結衣「ヒッキー、よくそんなに集めたね。」

八幡「これで全部だと思いたいがな…
ところで平塚先生、タバコに使うライター貸してもらえますか?」

「これで一体何をするつもりだ?」

八幡「勿論、燃やすために使うんですよ。」

俺は平塚先生から借りたライターで雪ノ下の写真を全て焼いた。

焼け落ちる雪ノ下の数々の写真…

それが全て灰になって焼け落ちるまでの確認してから火を消した。

  
14: やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。SS  2015/11/05(木) 22:26:22.89 ID:w9ksQj7D0

結衣「あ…あぁ…ゆきのんの写真が…ヒッキー!酷すぎるよ!?」

八幡「しょうがないだろ。これもみんなのためだ。葉山と同じ考えだよ。」

「だがここまでしなくても…」

八幡「それと先生、
奉仕部に雪ノ下がいた痕跡を消しておいてもらえますか。
こうなると今度は同じ部員である俺たちも危ない。」

結衣「ヒッキー!何もそこまでやらなくても…!?」

八幡「外にいるヤツらならどんな手段を使ってでも雪ノ下の情報を手に入れようとする。
お前、自分の家族にまであんなヤツらが押し寄せてきたら耐えられるのか?
俺は嫌だね、小町があんなヤツらに何かされたら正直耐えられない。」

結衣「それは…」

「だがそうなると…
雪ノ下のこの学校での痕跡がクラス名簿の名前くらいしかなくなるぞ。
いくらなんでもそれはやり過ぎだ。」

八幡「そんな悠長な事を言ってられますか?
先生のところにだってあいつら来ますよ。
その時になって今と同じセリフ言ってられるんですか…?」

「…」

結局、平塚先生は俺の言う通り雪ノ下の名前を奉仕部から消した。

いや、消したのではない。

彼女がいた痕跡を全て無かった事にした。

こうして学校で最も優秀な生徒が親の所業で全ての記録から削除された。

そして帰り道…

  
15: やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。SS  2015/11/05(木) 22:27:40.61 ID:w9ksQj7D0

結衣「酷い…何もここまでしなくたって…
おまけに部室にあったゆきのんの私物だったお菓子やお茶の道具まで持ってきて…」

八幡「もう泣くな由比ヶ浜。それよりもまずいなマスコミだ。」

記者「ねえキミたち、確か奉仕部の部員だよね。
雪ノ下雪乃さんの件でお話があるんですけど伺ってもいいかな~?」

八幡「雪ノ下ですか。
それならこの封筒にヤツの写真がありますが譲りますよ。ただしお金が発生しますがね。」

結衣「ヒッキー何考えてんの!?」

記者「よしいいだろう。5万円で買ってあげよう!」

こうして記者はろくに中身も確認せずに封筒入りの写真を5万で買った。

俺は5万を受け取ると由比ヶ浜と一緒にさっさとその場を去った。

だが由比ヶ浜は今の俺の行動に不快感を抱いてしまった。

  
16: やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。SS  2015/11/05(木) 22:28:28.07 ID:w9ksQj7D0

結衣「ヒッキー!何であんなヤツにゆきのんの写真を渡したの!?」

八幡「構わねえだろ。あれだけ他人に迷惑かけたんだ。当然の報いだろうよ。」

結衣「ふざけないで!
私…ヒッキーだけはゆきのんの事を信じていると思っていた!だから…!?」

八幡「だから何だよ?
これ以上雪ノ下の事を口にするな。お前もみんなと同じで無関係を装え。いいな!」

結衣「う…うぅ…グスッ…
信じてたのに…お金なんか貰って…ヒッキー最低だよ!?」

俺は由比ヶ浜に散々罵られた。

仕方ないだろ。

誰だってそんなに強くはないんだ。

自分の居場所を守るので精一杯なんだよ…

  
17: やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。SS  2015/11/05(木) 22:29:13.40 ID:w9ksQj7D0

~比企谷家~

八幡「ただいま、小町無事か?」

小町「お帰りお兄ちゃん!大変だったみたいだね!」

八幡「どうやらその様子だと無事のようだな。」

小町「でも…雪乃さんは一体どうなったの?
お兄ちゃん雪乃さんとは親しかったんだし何か聞いてるんでしょ!?」

帰宅するとさっそく小町が事件の詳細を聞いてきた。

そりゃそうだ。

知人の一家がこんな大事になってんだしなんとも思わない方がおかしい。

だが俺はそんな小町に対して由比ヶ浜と同じ対応を取った。

  
18: やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。SS  2015/11/05(木) 22:30:16.18 ID:w9ksQj7D0

八幡「悪いが何も聞いてない。
それよりもこれからこの家にもマスコミが押し寄せるかもしれないからな。
その時は絶対雪ノ下雪乃なんて知りませんと言うんだ。わかったか?」

小町「そんな事を…?でも雪乃さんは…!?」

八幡「いいか小町、あいつらは大変な事をやらかしたんだ!
もうあんなヤツらを知人だとか絶対思うな!人から聞かれても何も言うな!
もしも擁護なんてしてみろ。
あのTVで喚いている連中がお前を襲ってくるかもしれないんだぞ!!」

小町「そんな…でも…
雪乃さんを裏切れなんて…お兄ちゃん…小町ポイントが最低ランクだよ…」

八幡「悪いが今はあまりお前の冗談に付き合ってられないんだ。
ところで今夜は部屋でメシを食うから小町は一人で食べていてくれないか。」

小町「いいよもう…勝手にしなよ…」

小町に呆れられながら俺は自分の部屋へと向かった。

結局、俺は雪ノ下を悪者にする事で由比ヶ浜や小町たちを守る事ができない。

我ながら最低な男だ。




  
19: やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。SS  2015/11/05(木) 22:31:32.40 ID:w9ksQj7D0

~八幡の部屋~

八幡「さてと、ただいま。」

雪乃「……お帰り……なさい……」

八幡「これ、夕飯持ってきた。
食欲ないかもしれないがお前昨日から何も食ってないだろ。遠慮せず食っておけ。」

雪乃「要らない…今は何も食べたくない…」

八幡「そっか…そりゃそうだよな…」

俺の部屋に雪ノ下雪乃がいる。

簡単に説明すると雪ノ下は家族と逃げ遅れてしまった。

その原因はマンションでの一人暮らしにあった。

他の家族は自分たちの事で精一杯で、

離れて暮らしていた雪ノ下の安否まで気遣う余裕がなかったのだろう。

今はそれほど大変な事態なんだ。

  
20: やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。SS  2015/11/05(木) 22:32:38.96 ID:w9ksQj7D0

八幡「とにかく今は無理してでも食った方がいい。じゃないと身体がもたないぞ。」

雪乃「いいわよ…私なんか死んでも…」

八幡「何言ってんだお前…?」

雪乃「今日…あなたが学校に行った後…
ずっとTVを観ていたわ…みんな私たち一家の事を悪く言っていた…
誰も彼もが…お金を返せ…家を返せ…まるで呪詛のように繰り返して…」

八幡「悪い…俺にはこいつらを止める力なんてなくて…」

雪乃「…謝らなくていいのよ…全部本当の事なんだし…」

家族に見捨てられ、

さらに外ではこいつは何も関わっていないのにやってもいない事で悪者扱いされている。

今の雪ノ下の心情を考えれば食い物なんて喉を通さないだろう。

あの気丈な雪ノ下がこれほど気弱になるとは…
  
28: やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。SS  2015/11/05(木) 22:48:29.18 ID:w9ksQj7D0

八幡「すまない、実は学校にあったお前の写真…全部処分しちまったんだ。
どっかの馬鹿がお前の写真をネットに上げないように徹底的にやった。
だから由比ヶ浜には随分恨まれる形になったが…
だからこれはあの学校でお前が撮られた最後の写真だよ。」

雪乃「これ…いつだったか…
タウン誌の記事を書いた時に由比ヶ浜さんや小町さんたちと一緒に撮った写真…!」

雪乃「馬鹿はあなたの方よ…
どうせ由比ヶ浜さんだけじゃなく他の人たちからも嫌われたんでしょう…
本当に馬鹿…」

雪乃「でも無駄よ…
どうせ今頃、私の顔写真がネットに出回っているはずよ。
そろそろ私も出て行くわ。」

八幡「馬鹿言うな。
親もいないし財産も一銭もないお前に行くところなんかないだろ。
大体それに関しては恐らく大丈夫だろ。ちょっとネットを見てみろ。」

気になった雪ノ下は俺のPCを使ってこの事件に関する情報を調べた。

するとそこに載っていたのは…

  
29: やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。SS  2015/11/05(木) 22:49:07.28 ID:w9ksQj7D0

雪乃「これって…葉山くんの画像…?」

八幡「あいつ…お前とは幼馴染なのにいの一番に裏切ってたからな。
それでさっき近づいてきたマスコミに、
お前の写真探していた時に何故か見つかった葉山の写真を渡しておいた。
まさか中身も確認せずに上げるとは思わなかったが…
あいつへのお仕置きはこんなもんでいいだろ。」

雪乃「フフ、あなたって本当に小狡い男なのね。」

八幡「そうだよ、俺はしがない小市民だ。でっかいモノなんて守れやしないんだ。」

俺が守れるモノなんてたかが知れている。

由比ヶ浜や小町、それに雪ノ下雪乃。こいつらくらいだ。

  
30: やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。SS  2015/11/05(木) 22:49:57.21 ID:w9ksQj7D0

葉山が俺に言った言葉。

『誰だって今の居場所が大切なんだ。』

俺はこの言葉は正しいと思っている。

俺だって大切なモノを守るためならどんな事だってやってやる。

だから俺は守りたい。

この俺の部屋にのみ居場所を許された雪ノ下雪乃を…

たとえ誰もが雪ノ下に敵意を向けようとも俺一人くらいは味方でいてやりたい。

  
59: やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。SS  2015/11/06(金) 18:45:37.66 ID:qlreXJgk0

~しま〇ら~

八幡「何故俺はこんなところにいる?」

八幡「しかも婦人服売り場…」

八幡「俺が一体何をしたというんだ…?」

俺は庶民の味方、ファッションセンターしま〇らの婦人服売り場へやってきていた。

何で男の俺がここに…という疑問があるが…

事の発端は俺の部屋に住む雪ノ下雪乃のある言葉が原因だった。

  
60: やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。SS  2015/11/06(金) 18:46:13.43 ID:qlreXJgk0

雪乃「いい加減着替えたいわ。特に下着を…」

八幡「あれからもう3日だもんな。」

雪乃「そうよ、3日も同じ服着ているのよ…女の子が耐えられるわけ無いわ…」

雪ノ下雪乃は荷物など持たず着の身着のままで俺の部屋にやってきた。

だからこいつの服は今着ているモノしかない。

他には何もない。

  
61: やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。SS  2015/11/06(金) 18:47:16.12 ID:qlreXJgk0

八幡「服は俺のがあるからなんとかなるが…下着はなぁ…」

雪乃「この家には小町さんがいるはず、彼女の部屋から下着を借りてくるしかないわね。」

八幡「馬鹿言うな。
大事な妹の下着を拝借なんてとんでもない!
第一もし小町の下着がなくなってみろ!その嫌疑がまず俺に降りかかる!?」

雪乃「すぐに身内が疑われるなんてあなた随分信用がないのね。」

八幡「この家には男が俺と父ちゃんしかいないからな。
父ちゃんと母ちゃんは都合のいい事に仕事で夜が遅いから必然的に俺が疑われる!
それに俺と小町の仲は先日マスコミが来たらお前の事を悪く言えと注意した所為で、
すっかり嫌われちまった!?」

雪乃「つまりあなたの親族から調達するという方法は無理なのね。そうなると…」

八幡「?」

そして現在に至る。

  
62: やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。SS  2015/11/06(金) 18:47:53.11 ID:qlreXJgk0

八幡「雪ノ下はこの状況だから外に出られないし俺が直接買うしかない事になるのか…」

八幡「金はこの前アホのマスコミから調達した5万でどうにかなるが…」

「コレナンテドウカシラ?」

「アラ、イインジャナイノ。」

八幡「恥ずっ!メチャクチャ恥ずかしい!この場に居る事自体がメッチャ恥ずいよ!?」

腐っても俺こと比企谷八幡は青春真っ盛りの高校生である。

それが婦人服売り場で女性の下着や服を購入する事などプライドが許さない。

  
63: やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。SS  2015/11/06(金) 18:48:30.86 ID:qlreXJgk0

八幡「ハァ…本当なら知り合いの女の子に頼むべきだが…」

八幡「先日雪ノ下の写真を処分した時に由比ヶ浜とは気まずくなっているし…」

八幡「平塚先生になんか頼んだら怪しまれて絶対その理由を聞かされる!」

八幡「ていうかこんなところでブツブツ独り言呟いてると他の人たちに怪しまれるー!?」

俺の男の子としての葛藤はその後30分以上続いた。

けどそんな時、俺の目の前に天使が現れたんだ。

  
64: やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。SS  2015/11/06(金) 18:49:02.98 ID:qlreXJgk0

戸塚「あれ?八幡どうしたの?八幡も家族のお遣いで来たの?」

八幡「オォッ!俺の天使!いいタイミングで現れた!?」

戸塚「え?どうかしたの?」

俺は戸塚の協力を得てそのまま下着や服を抱えてレジへと向かった。

この服はこの子が着るんですよ。

ちなみにこの子、

俺の彼女なんすよアピールを店員さんに盛大に披露しながら購入を完了した。

  
65: やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。SS  2015/11/06(金) 18:49:30.99 ID:qlreXJgk0

~帰り道~

八幡「悪いな戸塚、買い物に付き合わせちまって。」

戸塚「別にいいんだよ、僕もお母さんから買い物を言付かっていたらか。」

八幡「あの店の婦人服売り場への買い物を、
平然と息子に押し付けるなんてお前のお義母さん何考えてんの!?」

戸塚「あ、ここは…」

買い物の帰り道、俺たちは雑談をしながらある場所に立ち寄った。

そこはかつて雪ノ下が住んでいたマンションだ。

そしてそこにもあいつらが押し寄せていた。

  
66: やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。SS  2015/11/06(金) 18:50:25.79 ID:qlreXJgk0

「おい!ここに雪ノ下の娘が住んでいるんだろ!」

「早く出しなさい!あの一家がやった事は許さないんだから!?」

戸塚「雪ノ下さんって確かこのマンションに住んでいたんだよね。」

八幡「あぁ、けど既にもぬけの殻だろ。
このマンションだってとっくに金融機関が差し押さえを行っているはずだ。
あいつはもうここにはいない。」

当然、俺は雪ノ下がこのマンションにいない事を知っている。

だがその事を今ここで怒鳴り散らしている連中に教える義理はない。

確かにアンタらが住む場所を奪われた仕打ちには俺だって同情する。

だからといって年端もいかない女の子にその責任を押し付けるのはどうかと思うが…

  
67: やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。SS  2015/11/06(金) 18:50:59.85 ID:qlreXJgk0

八幡「戸塚、雪ノ下の事を聞かれたら関係ないって答えておけよ。」

戸塚「八幡の気遣いは嬉しいけど知っている人をそんな風に言いたくはないな…」

八幡「戸塚は優しいな、さすがは天使。けど今回だけは俺の言う通りにしてくれ。」

戸塚「うん、わかったよ。しょうがないよね…」

八幡「さぁ、もう行こうぜ。こんなところ長居するとろくな事が…あれ…?」

戸塚と一緒に急いでかつての雪ノ下のマンションを出ようとする俺たち。

だがそんな時、俺はマンションのゴミ捨て場であるモノを見つけた。

  
68: やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。SS  2015/11/06(金) 18:52:04.55 ID:qlreXJgk0

~八幡の部屋~

八幡「ただいま、今帰ったぞ。」

雪乃「遅かったわね、それで買ってきてくれたの。」

八幡「オゥ、とりあえず服やら下着を全部買ってきたぞ。これで当分なんとかなるだろ。」

雪乃「こういう時…素直にお礼を言うべきなのかしら…ありがと…」

八幡「あの雪ノ下が素直に礼を言う方が却って不気味だ。
いつもならこんな〇まむらなんて大衆の服私には着られないわとか返すはずなのに!?」

雪乃「せっかくお礼をしたのにこの男は…フフ…」

雪ノ下も昨日よりは状態が落ち着いたようだ。

買ってきた服や下着に満足する雪ノ下。

それにもうひとつ、お土産にあるモノを渡した。

  
69: やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。SS  2015/11/06(金) 18:53:10.19 ID:qlreXJgk0

八幡「ほれ、お前の部屋にあったパンさんのぬいぐるみだ。」

雪乃「え…確かにこれは私のパンさん…?けどそれがどうしてここに!?」

八幡「何故だか知らんがマンションのゴミ捨て場に落ちてあった。
あまり考えたくはないが、
債権者どもがお前の部屋を差し押さえた時にゴミと判断して処分しちまったんだろ。」

雪乃「そう、もう私のモノなんてあなたが持ってきてくれた奉仕部で使っていた用品と…
それにこのパンダのパンさんくらいしかないのね。
あれだけあった私のモノがすぐに手元からなくなるなんて…」

八幡「出来ればお前のマンションに入って、
他にもあるかもしれない私物を取りたかったけどあの部屋は差し押さえられている。
わかっていると思うがあそこへは絶対に近づくなよ。
俺が行った時でさえヤツらが騒いでいたからな。」

雪乃「もういいわ、
あの人たちにしてみれば私はまだこうして住める場所があるだけマシだと思われるでしょうね。
でもパンさんだけは…ありがとう…比企谷くん…」

八幡「…」

その夜、雪ノ下雪乃は俺のベッドでパンさん人形を抱いてぐっすり眠っていた。

この部屋に住み着いて以来、こいつがこうしてゆっくり眠れたのは恐らく数日ぶりだろう。

  
70: やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。SS  2015/11/06(金) 18:54:56.74 ID:qlreXJgk0

雪乃「う…うぅ…ん…パンさん…」

八幡「まったく、この三日間はうなされる様に寝てたのに…パンさんスゲーな。」

八幡「それにしても雪ノ下がここにいる事を知っているのは俺とあと一人しか知らない。」

八幡「いつまでもこんな生活が続けられるはずがない。」

八幡「一体どうしたらいいんだ…?」

ベッドで寝静まった雪ノ下を見つめながら俺は床に引いた掛け布団を被り寝ようとした。

けどその時、携帯が鳴った。

その相手は雪ノ下の姉、雪ノ下陽乃からだ。

  
73: やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。SS  2015/11/06(金) 19:51:08.02 ID:qlreXJgk0

~サイゼ~

八幡「ここが待ち合わせの場所か。」

八幡「あの人、今こんなところに来て大丈夫なのか?」

八幡「まあ俺がそんな事を心配しても仕方ないが…」

今から2時間前、雪ノ下陽乃からの連絡があった。

このサイゼへ絶対に一人で来てくれ。

それが連絡の内容だった。

恐らく直接話さなきゃならない事なんだろうが…

雪ノ下さんが来る間に俺は今回の事件が起こる前日の夜の事を思い出していた。

  
74: やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。SS  2015/11/06(金) 19:54:40.12 ID:qlreXJgk0

~八幡の部屋~

八幡「さてと、もう24時過ぎたし深夜アニメの時間だな。」

八幡「夜はここからが本番だ。」

八幡「あん?
また〇〇不動産がやったマンション設計ミスのニュースかよ。
一体いつまでこんなの流すんだ?それよりもアニメだ、アニメを流せ!」

その日、俺は深夜アニメを見ようと夜遅くまで起きていた。

だがこれが後に幸運な事であったと今でも感謝している。ありがとう深夜アニメ!

まあそれは置いておいてそこに雪ノ下さんからの連絡が入った。

  
75: やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。SS  2015/11/06(金) 19:57:38.17 ID:qlreXJgk0

八幡「あ…雪ノ下さん…こんな夜遅くにどうしたんですか?」

陽乃『もしもし、比企谷くん?
今から言う事をよく聞いて!すぐに雪乃ちゃんをマンションから連れ出して!』

八幡「雪ノ下をマンションから?」

陽乃『そうよ、なんでもいいからとにかくあの子をすぐに!お願い!!』

八幡「すぐに切っちまいやがった。なんだか焦ってたようだし一体何がどうなってんだ?」

電話はすぐに切られた。

だがその時、TVの画面に速報が流れた。

あの雪ノ下建設がスケープゴートにされたニュースだ。

それを知り俺はすぐに雪ノ下のマンションへと急いだ。

  



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